人間関係をこじらせる人の「思考の癖」|自分を知って楽に生きる
結婚相談所イノセント
心療内科医
・他者と良い関係が築けない
・人間関係がこじれやすい
そんな人間関係や人とのコミュニケーションに悩みを抱える人は、ある「思考の癖」が原因かもしれません。
婚活や職場で人間関係が上手くいかない人や、人間関係のこじれに悩む人必見の内容です。ぜひ最後までご覧ください。
認知について
まず、今日のテーマで重要なポイントとなる「認知」について少しお話ししましょう。
思い込みとは、『認知』が無意識に習慣化されたもの
何かストレスを受けたときに、脳がそれを判断したり解釈したりする過程のこと。それを「認知」と言います。
たとえば、職場で上司に叱られたとき、私たちはいろいろな反応をしますよね。
言い返す、にらみつける、謝る…人によっていろんな反応がありますが、これらは全部目に見える行動としての反応です。
腸(はらわた)がにえくりかえる、頭に血がのぼる…日本語でも感情や心の中を表すいろんな表現がありますね。
こういう、目に見えない内なる反応も体の中では起きていて、その反応の手前には、何かしらの判断・解釈があるんです。これが「認知」です。
体でも反応するし、脳も反応する。これは割と自動で起きてしまうことで、その人の価値観とか人格とかこれまでの経験とかに基づいて出てくるものです。
この認知の歪みだったり偏りが強いことを「思考の癖」といって、今日のテーマにつながります。
思考の癖は消さなくていい
この思考の癖は、消そうと思っても消えないんです。
そのことをわかっていただくために、今できるワークがあるので、ちょっとやってみて欲しいのですが…
まず、「ピンクの象」をイメージしてみましょう。
・・・
実写っぽいやつですか?
アニメっぽいやつですか?
・・・
では、これから1分間、「ピンクの象」のことを一切考えないでください。
はい、スタート!
・・・
・・・
・・・
ここまで!
はい、どうでしたか??
もちろん中にはできる方もいますが、多くの方にとっては難しかったんじゃないでしょうか?
これと同じで、思考を無理に消そうとしても消えてはくれないので、そのアプローチはしなくていいですよ、ということが今日のポイントのひとつになります。
思考の癖は悪いことではない
今日は思考の癖についていろいろお話しさせていただこうと思っていますが、「こういう思考だからダメ」という話ではありません。
誰しも思考の癖はあります。100人いれば100通りの思考の癖があって、その中で「良い思考」「悪い思考」があるわけではありません。
ただ、思考が凝り固まっちゃっている人や、思考の偏りが強い人は、選択肢が乏しくなってしまったり、生きづらくなるのです。
スポーツするときもストレッチで体をほぐすのと同じで、婚活でも職場の人間関係でも思考のストレッチは効果的です。
なので今日のお話は「対人関係ストレッチ」なんだと考えて、思考を柔らかくするコツを掴むことを目標に、のんびり読んでもらえればなと思っています。
根拠のない決めつけ(Presume with any basis)
思考の癖の一つめは「根拠のない決めつけ」です。
これは、根拠が何もないまま思いつきを信じ込むことを言います。
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恋愛の決めつけ
LINEの返信が遅いから、私には興味がない
友人の決めつけ
自分と意見が違ったから、この人には何をいっても無駄だ
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関連のないことなのに、結びつけたり、因果関係を作って自分で決めつけてしまいます。
そういう人は、「ファクト(事実)は何か?」と自分で考えてみる癖をつけると良いでしょう。
そうやって、自問する癖をつけるだけで、少し柔軟になれます。
決めつけずに、目の前の相手と向き合うことが、良好な人間関係を築く上でとても大切です。
もちろん、その人が経験したひとつの事例で、小さな根拠があったとしても、それがすべてじゃない、というのは覚えておいてほしいです。
「べき」思考(“Supposed to be” thinking)
ふたつめは、「べき思考」です。
「こうあるべきだ」「あのようにすべきでない」と、自分の中にある価値観や考えに頑なになってしまう思考をさします。
いつも自分の行動を自分で制限したり、自分を責めたりすることにもつながります。
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婚活のべき思考
・デート代は男性がおごるべき
・待ち合わせの10分前に待っているべき
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べき思考は世の中に溢れていますよね。
しかし、このべき思考で自分を追い込んで苦しくなっている人が多いのです。
べき論で他者を追い詰めることを繰り返すと、避けられたり、周囲から孤立してしまいます。
真面目な人、頑張っている人に当てはまりやすいので、一度べき思考になっていないか考えてみてくださいね。
法律は守るべき、信号は守るべき、など妥当なべきもあるけれど、同じように全て自分の物差しで「べき」になっていないかな?と気がつくことが大切です。
婚活でも職場でも、「べき思考」が強い人は適切な人間関係を築けず、こじらせやすいです。
解決するためには、「べき」を取っ払ってコミュニケーションを取ることで、自分にとっての幸せにつながるような、別の意味とか目的を見つけられたら、もっと楽しく婚活ができるのかなとは思います。
白黒思考(Black and white thinking)
3つめは「白黒思考」あいまいな状態(グレーゾーン)に耐えられず、ものごとすべて白か黒かという極端な考え方で割り切ろうとすることです。
実は恋愛や結婚などの人間関係だけに関わらず、世の中は曖昧なまま進んでいることの方が多いのです。
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白黒思考の例
・私と仕事、どっちが大切なの!?
・義母と自分の家族、どちらが大事なの?
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どちらも大事という曖昧な返答が苦手で怒ってしまったり、友人と予定を組む時にも「今分からないから、また連絡するね」というと「会う気がないんだ!」と怒る人など極端なコミュニケーションしか取れない人が一定数存在します。
自我が強く、自分の価値観がしっかりしているタイプに多く、いつも今すぐにはっきりさせたいと思ってしまいます。
会話を言葉の通りに受け取ってしまい勝手に怒っている状態なので、その言葉の裏にある相手の事情や気持ちに心を配ることが大切です。
「ネガティブ・ケイパビリティ」と言ったりしますが、不確実なものを許容する力であったり、耐える力があると、対人関係でも上手くいきやすいです。
自分は極端な性格なんだと苦手を自覚して、ある程度我慢をしながらコミュニケーションをとると良いですね。
過度な一般化(Extreme generalization)
そして4つめが、「過度な一般化」です。
少数の事実を取り上げて、自分なりの法則を作り、同じ結果になるだろうと結論づけてしまう癖のことです。ひとつめの「根拠のない決めつけ」とも近いです。
いくつか同じことが重なると、それが一般的なことだと決めつけたくなる気持ちって、人間誰しもありますよね。
婚活で言うと、2〜3人大人しい男性と出逢ったら「結婚相談所の男性はみんな奥手」と決めつけてしまったり。
「30過ぎたら良い人はもう売り切れちゃってる」と言うのも一般化と言えるかもしれません。
他の人はどうしているのか?どの色が一番人気があるのか?など、自分自信の意見を持たずに他者を気にする人は、人間関係がうまく行きません。
対処法は勇気が必要ですが、「自分はどうなのか?」と目の前のことに向き合うことが大切です。
過大評価・過小評価(Excessive evaluation / Insufficient evaluation)
5つめ、最後は「過大評価・過小評価」です。
自分が関心のあることは拡大してとらえ、反対に自分の考えや予想に合わない部分はことさらに小さく見ること、です。
これまでの思考の癖とは少し違い、過大評価も過小評価も、割とポジティブな面があります。
社交辞令を間に受けてしまったり、勘違いも起きやすいですが、そういう人はピュアなので。
騙されてしまいがちだけど、本当に思ってくれている人に対して素直に飛び込めるというのは強みです。
ポジティブな突破力で相手との距離を一気に詰めて人間関係を形成する力があります。
何事もポジティブ要因とネガティブ要因ってありますが、上手くいっている面だけを採用してしまうと、物事の本質を見られません。
相手の気持ちを想像できないので、自分よがりになってしまったりもします。
そういう人は、勘違いによるズレとか、「あれ?」という経験を人生の中でたくさんしているはずなので、「自分にはそういうところがあるぞ」と注意することが最初のステップですね。
まずは自分の「思考の癖」に気づくこと
今日お話した「思考の癖」も、自分には考え方に癖があるということを知っているだけで全然違います。
自分が当てはまるからダメということではありません。良い悪いではなく、誰にでもそういう癖があるということを認めることが大切です。
無意識のことなので難しいですが、思考の癖に対する対処法は、自分の傾向を普段から意識すること。
そうすれば人間関係をこじらせることなく他者と良い関係を築くことができるきっかけになるかもしれません。
結婚相談所イノセント 心療内科医
内田 さやか
日本医科大学卒。東邦大学医療センター大森病院にて心身医学を学ぶ。
IT企業を中心とした複数企業の産業医を担当。
会員制のプライベートサロン「 SAHANA(サハナ)」運営。
困っている方のお話にじっくり耳を傾け、必要なサポートを本当に必要としているひとのもとに届けたいと考えています。心療内科医の立場から、科学的根拠も交えつつ、少しでも前向きに婚活ができるようなお手伝いができれば幸いです。
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