心療内科医監修「デート当日になるとめんどうになる」原因と対策

デートじゃなくて友達と会うのでも、すごく楽しみにしていたのに、当日の朝になるとめんどうだなと思ったり。

そこで少し葛藤が生まれるんですよね。

しっかり勉強したあとのテストは気が楽ですけど、ダメそうなときはテストを受けたくないって思うじゃないですか。笑

その中でも特に「学習性無力感」という用語があるんですけど、「失敗を繰り返す人は、トライしなくなる」ということがあって。

「頑張るだけの価値がない」「期待ゼロ」って思うと、動き出せなくなるんですけど、それが「めんどう」という感情につながりそうだなとは思いました。

「頑張るだけの価値が見いだせていないからモチベーションは上がらないけど、会わないと始まらないから」というような感覚で、なかなかエンジンがかからないことってありますよね。

ということは、先生がおっしゃった「期待」という意味では、前日にはもう決まっていたりするのでしょうか？

当日、突然期待が下がってめんどくさくなるというのがちょっと考えづらいなと。

予定を入れている時点で、期待値はゼロじゃないですもんね。

でもあまり高くなくて、可能性をゼロにしたくないから行こうとは思うけど、でも期待値は低いからめんどう…みたいな感じなんですね。

「どんな人かわからないけど、会ってみるの楽しみ」とか「この人自分とは違うタイプだから、相性良いかどうか会ってみたい」と思えていると、「めんどくさい」とはあまり感じないと思います。

「数撃ちゃ当たる」思考というか…。一期一会やオンリーワンの良い出会いをしたいという気持ちがなくなっちゃっているのかもしれないです。

どうせ今回も上手く行かないだろう…みたいな。

人間って目的があったほうがモチベーションは上がるので、そういうのは大切だと思います。

でもせっかくなんだから、「無いかな」と思ったとしても、交際希望されるように振る舞ってみるのも良いんじゃないかって、いつも会員さんにはアドバイスしています。

時期によってちょっと疲れが出ているとか、気持ちが落ちちゃうとかって、よくあることです。

全然大丈夫な人から、起き上がることもできない人もいるので、一度、ご自身で点検してほしいなと思います。

「毎月毎月、同じ時期にメンタルが乱れる」とか「普段は元気なのに、支度するのも億劫になる時期がある」とか。

だからめんどうと思っていても、もしかしたらその時期を越えたらまた会うのが楽しみと思えるかもしれない。
これは女性特有ですね。

この「朝起きたらデートに行くのがめんどう」という感情って、うつのそれとはまた違うのでしょうか？

たとえば、婚活が上手く行かないときとか、あとは仕事も頑張って婚活も頑張って消耗しているときとか、女性の周期のこととか、いろんなことからメンタル不調になっているがゆえに「めんどう」という感情が出ることはあります。

なので、自分のベースとして「ちょっと疲れていないかな？」って確認はしたほうが良いと思います。

長期戦になって消耗するというのはよくあることなので。

体調が悪かったり、婚活自体に疲れているだけなのに、「交際相手と会って楽しめなかったから、この人とは無理なんだ」と考えてしまうんですよね。

婚活に消耗して嫌なイメージなのが、目の前の人が嫌というイメージに切り替わっちゃうってことはよくあると思います。

ジャーナリングって言うんですけど、

・婚活に対して何を思っているのか
・相手に対して何を思っているのか
・自分の今の生活
・体調はどうか

ということを書き出してあげると、「ちょっと混同していたかな」というのが見えてくると思います。

不思議なもので、書くことで気づくことって結構あるので、言語化することが大事で、あとは勝手に整理がついたりもします。

・目的がなくモチベーションが下がっている
・女性ならホルモン周期によるもの
・ベースとして疲れている

ということが原因というお話でしたが、単純に性格的な問題ってありますか？
「出不精」とか言うじゃないですか。

「対人恐怖」という話になるのですが、人と会ってしゃべること自体が苦手で、対人関係から身を引こうとするんです。

対人恐怖症って言うとしっかり診断基準もあって「疾患」という感じなのですが、それよりももう少しライトな「ふれあい恐怖」という概念もあって。

これは現代の若年層の人たちの間でよく見られる現象で、たとえば日常会話を皆でするのは大丈夫だし、授業に出るのも大丈夫だけど、合宿に行くとか、みんなで一泊二日で旅行に行こうとか、そういう深い関わりになるもの、というときにプレッシャーを感じるんです。

お見合いで自己紹介をいわなきゃいけないときに、この5つを言ってくださいって決まっていたら話せるけど、ただ喫茶店でおしゃべりしましょうってなったら、フリーすぎてキツイということはあります。

映画が終わったあとは、映画について感想を言い合えるとか、必然的に話題が生まれますよね。

なので、ふれあい恐怖症の人は、喫茶店でおしゃべりしましょうとかのデートは避けたほうが良いかもしれません。

でもこれ実は、横は横でどうしても距離が近くなっちゃうから、120度が一番良いと言われていて。

120度だと目も合わせられるし、適度に距離も離れているし。

私のところもそうですけど、診察室を120度にしているところは多いと思います。

だから、少しでもそういうふれあい恐怖症的なものがある人は、自分が楽にデートをできるように調整すると、一歩が踏み出しやすいかもしれません。

でもさっきも言ったように、自分の体調が悪いだけとか、婚活に疲れているだけとか、そもそも人とのふれあいにプレッシャーを感じるタイプとか、いろんな可能性があるので、一概に相性が悪いって決めつけないほうが良いのかなとは思いますね。

あとは、自分の対人関係の築き方とか、自分の対人関係の特徴に気づく良い機会になると思います。